コートの隅で息子とGK練習をしていたら、大会の準備を終えたNコーチがやってきた。

「最近、A(息子)にキーパーやらせてるんですか?」
と聞かれたので、
チーム事情からそうしていると答える。

「他に出来る子がいないんじゃしょうがないですけど…、二年でAなみに得点力のある子はそうはいないんで、ちょっともったいないんじゃないですか?」

HやWもだいぶ成長してきたし、毎回やらせるわけでもないので、と答える。

「確かに二年は三年と一緒にしても通用しそうな子がいますね」

と言われ、ちょっと嬉しく思う。

「実は来月に三年生大会があるんですが、2チーム出したいんですよ。だから二年からメンバー出してもらおうと思ってましてね。」

と言われ、僕はピンときた。




Nコーチは、「勝つチーム」を造りたいのだ。
Aチーム・Bチームの2チーム体制にしたいのだ。

三年は15人いる。
基本8人制だと、現状は1チームで出場することになる。

だが、そうすると、言葉が悪いが、技術的に追いついていない子も、やはり出場させなければならない。
その結果勝ちきれない結果になっているのだと思う。



実力に応じて二チームに分けることは、メンバー全員の出場機会増にもつながるし、プロでもそうだがメンバーをある程度固定することは、確実に戦力アップになる。



もちろん、Bチームになった子は、面白くはないかもしれない。
Aチームに上がろうというモチベーションアップより、ネガティヴな感情が先になるかもしれない。

でも、サッカーを続ければいつかはそういう日が来る。
強いチームになればなるほど、選別されてゆくのが当たり前だ。

子供たちの心理や、保護者の感情を考えつつも、
強いチームを造ろうというNコーチの信念が感じられる。




二年から選出されるなら、おこがましいようではあるが、息子が選ばれるはずだ。Nコーチもそう思っているから、その話をするのだろう。
僕も息子も嬉しくないはずがない、息子はすでに「出る!」とやる気満々だ。




たまに三年と合同で練習をするが、息子は三年生とやっても見劣りはしない。
実力的には三年に混じってもAチームで出れるはずだが、Nコーチのそこの所の意図は分らない。
三年でAチームを造り、息子を含む二年を入れたBチーム、ということもありうる。

だが、三年生と一緒に練習をすることで、
例えばNコーチの息子さんのS君のパスセンスやエースN君のキープ力を学べば、さらに成長するだろう。





息子には、同級生のチームを引っ張って、ぜひ今年こそ市内で一番になってほしいという思いもあるが、
息子自身のために、チャンスがあるなら、より高いレベルでもまれてほしいとも思う。

今回の「飛び級」の話、願ってもないことになった。

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