職場のKさんが、出勤時間に遅れるという連絡があった。
「なんでも、警察にいるらしいッス!」 と部下君が言うのでどうしたことかと思ったら、しばらくして警察官と一緒にやってきた。
聞かなくても構わなかったが、通勤の電車内で痴漢に遭ったのだという。
ご配慮お願いしますと言い残し警察官は帰って行った。
遅れてスミマセンでした、と言う彼女に、
気にしなくていい。それより、大丈夫なのか?今日は休暇にして帰ってもいい、
と言う。
だが気丈にも、「いえ、大丈夫です。」と言うので、
そうか。無理しないで欲しいけど、働く以上はちゃんと切り替えてしっかりやってもらわないとダメだぞ。いいかな?
と、まじめな上司役の堤真一っぽく決めて話しつつも内心は、
「俺の(×) …うちの (○) かわいいKになんてことしやがる!」
などと思っていたりもする。
まったく痴漢という奴はどうにもこうにも、しょうがないヤツラである。
そりゃあ僕だって、女性に関心が無いわけではない。
だが、混雑した場所で女性の弱さにつけ込んでコソコソと悪戯するのは男として許せない。どうせならガツンと口説くべきなのである、プンプン!
なにより、そいつらのせいで冤罪事件に巻き込まれる無実の男性には気の毒だと思う。
痴漢というと思い出す、高校の同級生「智美」のことだ。
ある日いつものように投稿してきた智美だが、白いブラウスの肩口の辺りに血が付いていた。
「どうした?」と聞くと、
「あ!やだあ~これ、返り血かも。」
「返り血ぃ~??」
彼女はいつものようにドアに寄って満員電車に乗っていた。
そちら側のドアは、学校のある駅まで開かないのである。
ところが彼女がお腹の側をドアに押し付けられた状態で、背後から痴漢にあったのだという。
怖かったしビックリもしたが、彼女の場合「戦闘意欲」がかき立てられたのかもしれない。
5駅ほど苦痛を我慢した後、ドアが開いた拍子に彼女はホームへ飛び出し、クルリと振り返った。
そこへ、こらえきれないように痴漢が押し出されてきたので、
その鼻の辺りを目がけてストレートを一発かましたのだという。
痴漢にしても、後ろから押されてどうにもならなかったのだろう。
かわすことも出来ず、ノーガードで喰らったに違いない。
で、そいつどうしたと聞く僕らに向かい、
智美は小悪魔っぽく笑って言った。
「え、逃げてきちゃった♪」
こわ~
女の子こわ~。
そいつ、もう二度としないだろうな。
帰りにその「現場」を見に行った。
はい! ありましたよ血の跡が! 血祭りの跡が!!
いや、かなりの出血量だった!
メガネをしてたって言うから、レンズが割れて目に刺さってたりして…。
あ、ガラスの破片見っけ!
こわ~。
そんな強い子ばかりじゃないから、
痴漢は撲滅させなければいけないな。
(またタイトルで閲覧数が伸びそうな予感が…)