リリース直後の大騒ぎから、だいぶ落ち着いた感のある、
ポケモンGO。



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だが、「ながらポケモン」による事故は依然として起きており、
とうとう死亡事故まで起きてしまった、しかも立て続けに。





だがこのニュースに違和感がある、
何故「ポケモンGO」というアプリ名を出す必要があるのか、ということだ。

事故が起きた際にポケモンをしていたことは事実だろう。
だが、事故原因は「スマホ操作」あるいはスマホの画面を注視したことによる「前方不注意」であるはずだ。

例えば、カーナビやカーステレオを操作して事故を起こした場合に、
「カロッツェリア」といった商品名や、聞こうとしていた曲のミュージシャン、ワンセグで見ていたテレビ番組名を、ニュースの中で流すだろうか。
いや、流しはしないはずだ。

「ポケモンGO」だけが報道されなければならない理屈は無いのである。
それが現に記事に出されるというのは、ただその名を出した方が読者の関心を引きPVが増える、というだけだろう。




僕は、決して許していいとは思わないが、
運転中の携帯やスマホ操作が、法令で特に禁じられることに疑問を持っている。

立法事実、
つまり運転中の携帯・スマホ操作が原因による事故が急激に増加していることは事実だから、
法整備して取り締まろうというのは理解できる。

ではなぜ、運転中の喫煙は取り締まられないのだろうか。




運転中の喫煙関連行為による事故は、おそらくスマホ操作や飲酒運転よりも多いはずなのだ。

「はず」というのは、データーがないためだ。
運転中の喫煙行為(タバコを出す、シガーライター操作、点火、その他)が原因で起こる事故は、「安全運転義務違反」他の規制にくくられてしまっているのだ。

だからニュースでは、「落としたタバコを拾おうとしてよそ見をした」などと加害者の証言があったとしても、警察の事故データーにはその旨が記録されない。




もしデーターがあれば、運転中の喫煙を禁じる法律ができてもおかしくないし、シガーソケットが付かなくなることも想像される。

が、実際にはそんなことにはならないだろう。
というのは、運転しながらタバコを吸うのは、非常に日常的な行為だからである。
だからそれを取り締まってしまうと、非常に多くの違反者を生むことになりかねない。

他の法律も含め、法規制するとあまりに多くの犯罪者を生む行為は、法規制されないのだ。

逆に、危険ではあっても違反者があまりに少ない場合はやはり法整備がされないので違反にはならない。
今のような携帯電話が普及する前の、デカイ箱型の携帯電話や自動車電話が問題なかったのは、それを運転しながら使う絶対数が少なかったからだ。




僕自身はタバコを吸わないので運転中の喫煙もまたしないが、
タバコを吸っていたオヤジに後ろからぶつけられたことはある。

だから取り締まれよ、とも思うが、
あまりに日常的な行為をすべて取り締まるとなると、それはそれで息の詰まるような社会になるだろう。

危険だけど多少は見逃した方がいい行為というのはある、ということだ。




などとクドクド書いたのは理由がある。




この前僕がスマホを片手に歩いていると、
いきなり60歳くらいのオッサンに怒鳴られた。

「オラ!ポケモンしながら歩ってんじゃねえ!」

僕がスルーしてると、何故かさらに突っかかってきた。

「おい!オメーだよ、オメー! シカトしてんじゃねぇってんだよ!」




さすがにムカついた僕は、器の小さい行為だなと思いながらも、
その男性を招いてスマホを見せた。




「地図、なんすけど?」




するとその男性は、一瞬たじろいだようだが、

「アホ!スマホを見てるのがダメだって言ってんだろ!」

とまさに逆切れである。




ほほう、と僕はこのケンカを買った。

「地図見て歩いちゃダメなんですか?」
「地図が、本や紙からスマホの画面に替わっただけでしょう?」
「むしろ、スマホの方が普通の(紙ベースの)地図よりコンパクトで視野を妨げないし、他の人にも邪魔ではないですよね?」
「普通の地図よりスマホの地図の方が危険だという理由はなんですか?」

とまあ、屁理屈には違いないが正論を、滔々とまくしたてたら、

「もういい!」

と去って行った。




歩行中にする上で危険なことはたくさんある。
歩行中のスマホ以外にも事故につながる行為はたくさんある

それらの多くはさほど問題視されないが、
「歩きスマホ」などと言われ目の敵にされてしまうのは、
やはり「後発」のせいだろう。
新しいものを受け入れない人というのはどこにでもいるものだ。



僕が新入社員だったとき、ある企画書をエクセルで作って出したら、
こういうのは手書きにするのが常識だろう、と言われた。

「読み手が読みやすいように作るもんだ」

とその上司は言うのだが、

「せめて、ワープロにしなさい」 

というセリフには笑ってしまった。
その職場にはたしかに「ワープロ」があったのだ。

その人も数年後には普通にパソコンを使っていたから、
いつかスマホもありふれたものとして受け入れられるかもしれない。

だがまあ、危険な行為はやはり慎むべきだし、
マナーで制限できないなら法整備も必要だろう。

そうならぬよう、あまり無茶な使い方はすべきではないのだが。




でも、道路交通法改正で、
運転中の「ポケモンGO」を規制するようになったら、
それはそれで面白い。



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