FSMが負けている!
の情報はグラウンドを騒然とさせた。
アップを終えた次の試合の出場チームや、別コートを観ていたギャラリーも集まって、後ろの方にいた僕は観にくくなってしまうほどだった。
それでもまだFSMが負けるとは思っていないが、
保護者の方々は少し心配そうだし、
FSMを観に来た人たちも、意外な展開に驚いている。
だが、まだ安心はできない。
何故ならFSMなのだ、このまま終わるとは思えない。
だから昨日もPK練習をしたのだろう。
息子のチームの雰囲気は良い、
後半も戦えるだろう。
FSMはと見ると、コーチの一人が激しい言葉をぶつけている。
負けるぞ、それでいいの? といった具合に。
だが、FSMの子たちは落ち着き払っている。
そういえば失点したときも、特に何か言うとかもなかった。
不気味である。
さらなる不安は、後半立ち上がりだ。
うちのチーム、先制した後すぐに追いつかれることが多いのだ。
入りはどうだろうか。
その不安は的中する。
後半開始1分、相手10番君がドリブルで抜けようとしたところ、
DFのKき君がカットに飛び込む、そこを巧くかわされてしまう。
そこからが凄かった!
追いすがるKま君の前にしっかり入る。
そして左から迫るKき君の様子をうかがう。
そしてややスピードを落としGKが出てこれない位置で、
恐らく彼はKき君を待ったのだと思う、
Kき君が飛んできたところを、股の間を抜くシュート、
反応の遅れたGKRご君は動けず、
同点ゴールを許してしまう。
さらに前半からの相手のプレスに苦しんだDFの三人に疲れが見えてくる。
そのせいか分からないがプレーがラフになってきた。
そしてとうとうKき君にカードが提示されてしまう。
息子はといえば、後半から相手18番君がマークに付くようになり、精彩を欠く。
残念だがやはりデュアルでは、まだ及ばない。
反対に、相手10番君はますます動きが良くなる。
DFのKま君が後ろを向いて受けたボール、猛然とつめて前を向かせない。
そして、GKの股を抜いて逆転されてしまう。
先制を許した相手から奪った、逆転のゴール。
だが、相手の10番君はにこりともしない、選手同士のタッチもない。
まるでそれが当然のことのように、淡々とポジションに戻る。
同じFWでも、彼には"風格"のようなものを感じる。
また、息子との"格"の違い。
「エース」とは、こういうものなのか。
ここで、左MFのKら君を下げて息子を左MFに、トップにRま君を入れる。
が、変わった流れは戻らない。
ここまでしっかり守っていたGKのRご君がキックミス。
それを10番君に奪われ、二人掛かりでなんとか潰したものの、
こぼれ球を押し込まれてしまう。
そしてそのままタイムアップ。
終わってみれば1-3、最後は完全に力負けであった。
JAカップブロック予選)
準々決勝 vs FSM
1-3 ●
GOAL : 息子×1
これでこの大会は終わった。
やはりFSMは強かった。
まだまだ敵うレベルではなかった。
息子の "個" も、まだそのレベルに達していなかった。
が、真の強豪、本当に強い相手と戦えたことは収穫だった。
あとはそれを今後に活かせるかどうかだ。
だが息子はまだ四年だ。
一年経って五年生になった息子は、FSMの10番のような選手になれるだろうか。
チームは、全国はともかく東京都中央大会に進めるようになるだろうか。
しばらくは、大会のないシーズンが続く。
練習に、一生懸命励んでほしいと願うのだった。
息子のサッカー記録(公式戦に限る、出場試合に限る)
・110試合 77勝4分29敗
・優勝7回、準優勝5回
・通算ゴール数 124