にしても最近は、「〇〇ハラ」が増えたように思う。
セクハラ・パワハラなどを皮切りに、モラハラ、カスハラ、マタハラなども。

訳の分からない物も存在する。
ゼクハラ、ソーハラ、などはご存知だろうか。
ゼクハラというのは、カップルが結婚に踏み切らない相手に対し、「ゼクシィ」をちらつかせて結婚を迫る嫌がらせだという。



どうでもいいわ!!



とにかくもう、何にでも「ハラ」を付けるようになって、おじさんは付いて行けない。






本来「ハラスメント」というのは、組織や集団内における迷惑行為を、自浄作用で解決・予防しようというものだ。
分かりやすいのはセクハラで、その行為の多くは犯罪行為や迷惑防止条例違反に該当する。
それをいちいち警察力を介入させて解決していたのではキリもないし正常な事業運営を阻害するので、組織及び集団の自浄作用と時には第三者を含め防ごうというものだ。

以上は私の理解だが、間違ってはいないと思う。

多くの企業や学校などは、主に厚労省などが定める指針に従って通報機関や対処する部署を設け、啓発・抑止・解決に努めている。

ところが、被害者が不快だと感じたら何でもハラスメントになるわけではない。
このことは結構誤解されていて、だから〇〇ハラが急増したのではないかと思う。





僕もまだ若い管理職になった頃、突然ハラスメント疑惑を掛けられたことがある。

ある日上司に突然呼び出され、パワハラで訴えられていると言われた。
その後事実確認があったのだが、事実あったこと、無かったことがあった。

例えば、あるアルバイトスタッフの給料が正しく支払われていない、故意に僕がそうしているというものがあった。
調べるとたしかに勤務表に勤務実績があるが給与が支払われていない人物・日時が存在した。
がこれは本人がそもそも自身で打刻しておらず、管理者である僕がそれを見落したことが原因だった。
つまり業務上のミスであって、パワハラではないということになった。
事実でないことは全てそうで、まったく根拠のない被害者の想像でしかないことも存在した。

調査の中で被害者が分かり、僕は合点がいった。
アルバイトにも能力と成果に応じ昇給があるのだが、勤務状況が不良でその点を何度も指導した者だった。

結果僕は「シロ」だった。
パワハラに該当する事実が無かったのだ。





そのバイトが僕をパワハラで訴えたのは彼なりの理由があるのだろう。
だが、事実はそうでなかった。
だのに上司や人事か総務かの担当者が聞き取りや事実収集に費やした時間は割いた時間は決して少なくないだろう。

訴えるのは簡単だけど、具体的にどんな言動がハラスメントに該当するのかは、被害者もよく考えるべきではないかと思う。






さらにもっと問題なのは、上司や管理職が、ハラスメントで訴えられることに怯えて部下に適切な指導をすることに躊躇することだと思う。


同僚にはプライベートなことは一切言わないという管理職がいる。
僕は、プライベートが業務に影響しないなら何も言わないが、そうでないならプライベートなことも指導するようにしている。
例えば翌日仕事がある場合は遅くまで飲み歩くんじゃない、というようなことだ。

二日酔いで遅刻したりまともに仕事が出来ない部下がいたとして、
期末にその人を評価する段になってそれを理由に評価を低くすることは正当だとは思う。
が、僕にはそれが「後だしジャンケン」のように思われる。そんな生活してると評価上がらないよ、と言ってやるのが上司の役目ではないかと僕は思う。

時間管理のみならず服装の乱れとか言葉遣いであるとか、
直接仕事に関わらないことでも必要なら指導しないと、本当に必要な指導をすべき場で何も言えなくなるのではないか、もしそうならそれが問題だと思う。





そんな僕だから、またいつか誰かに〇〇ハラで訴えられるかもしれない(笑)。

だが、僕は負けない。
そもそも訴えられないように気を付けたいが、遠慮はしない。
そんな点を認めてくれて、いろいろ問題が生じた社員を預けてくれるのかもしれないな。

何にしても、部下も同じ立場の人間からハラスメントと言われる可能性もあるのだし、そうなった場合上司の僕も対処に追われることになりそう。
そうならないようにこれからも指導に力を入れて行かなければ、と今回の件で感じたのだった。